FC2ブログ

鉄道の歴史を探る

鉄道に関する歴史を史料を元に検証します

プロフィール

鉄歴マニア

Author:鉄歴マニア
鉄道を趣味から研究対象に。
私鉄電車や貨車などの書籍執筆に携わりました。
<主なもの>
日本の貨車
私鉄電車のアルバム
世界の鉄道


カテゴリ


最新記事


最新コメント


カウンター


パイオニアIII台車は、1956年に米国のE. G. バッド社(Edward Gowan Budd Manufacturing Company)がステンレス鋼車体を持った「パイオニアIII軽量客車」の台車として開発しました。
「パイオニアIII軽量客車」は従来のステンレス鋼製客車の総重量が50トン以上あったのに対し、26.5トンと50%以上軽量化し、その台車として開発されたパイオニアIII台車はディスクブレーキと空気ばね、軸ばねを持たないシンプルな構造で、大幅な軽量化が図られました。
この台車は、突然現れたわけではなく、E. G. バッドの発明家、技術者としての想像力と、後発であった鉄道車両メーカーの挑戦が大きく関わっていると思われます。
パイオニアIII台車開発に至るまでのE. G. バッド社技術の足跡を知る必要があります。その足跡を特許公報などの資料でたどります。

BuddBackgroud.png

バッド社の「The First」

<E. G. バッド社の歩み>

E. G. バッド
は勤めていたアメリカン・プーリー社(American Pulley Company)で、プレス鋼板を用いたプーリーを考案しました。このプーリーはこれまでの鋳物製に比べ大幅に軽く、低価格で大量生産が可能となり、会社に大きな利益を与えました。
29歳のとき、ヘール&キルバーン社(Hale & Kilburn Company)に鉄道向けの座席の脚に打ち抜きプレス鋼板を使った鋼製の座席を納入しました。
これまで、鉄道車両の座席は木製や鋳造品であったものを変えました。これがE. G. バッドの「初めて(The First)」にこだわる最初でした。

鋼板製座席の特許 E. G. Budd
ヘール&キルバーン社の時にE. G. バッドが申請した初めてのプレス鋼板を採用した鉄道用座席の特許

HALE-KILBURN METAL COMPANY, 座席
Car Bulders' dictionary 1909年版に紹介されたヘール&キルバーン社のカタログ。上のふたつが鋼板製

これがきっかけでE. G. バッドはヘール&キルバーン社に移りました。
当時の鉄道車両は木造車体で脆弱な上、ストーブによる火災が多発していました。E. G. バッドは世界で「初めて」の全鋼製客車を考案し、設計しました。この全鋼製客車は従来に比べより軽く、強くそして耐火性に優れていました。
そしてヘール&キルバーン社は客車製造に参入しました。この全鋼製車体に目をつけたのはプルマン・スタンダード社で早速注文しました。

全鋼製車体の特許 E. G. Budd
全鋼製車体の特許

1912年、バッドはヘール&キルバーン社を離れ、仲間のジョセフ・ルドゥウィンカ(Joseph Ledwinka)、ラッセル・ライディ(Russel Leidy)とともにエドワード. G. バッド製造会社(Edward. G. Budd Manufacturing Company)を創業し、自動車車体製造に乗り出しました。
バッド社は打ち抜きプレス鋼板と電気溶接を採用した車体をパッカード社、ダッジ社に納入し、1914年には全溶接車体の特許を取得しました。
これまでの自動車はフレームの上に車体を載せる構造でしたが、全溶接フロアパン構造を持つモノコック構造の先駆けとも言える技術で、ステイに抜き孔を設けるなど大幅な軽量化を果たしてます。
プレス鋼板全溶接自動車の特許 Joseph Ledwinka, E. G. Budd Manufacturing

ジョセフ・ルドゥウィンカが申請したプレス鋼板溶接構造車体の特許


関連記事
2016/08/27 13:22|バッドTB:0CM:0
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://goerlitz.blog.fc2.com/tb.php/45-788a1042
検索フォーム


リンク

このブログをリンクに追加する


お問い合わせ

お問い合わせ、ご質問はこちらからどうぞ。

お名前:
メールアドレス:
件名:
本文:


Copyright(C) 2008 All Rights Reserved. 鉄道の歴史を探る
Powered by FC2ブログ.  JavaScript by LostTechnology. template designed by 遥かなるわらしべ長者への軌跡.